副作用避けるため、小児用の市販薬成分一覧表を 京都の内科医がCF


京都市の医師が、小児用の市販薬の一覧とそれぞれに含まれている成分を記した冊子「クスリ早見帖」の発行を計画、インターネットのクラウドファンディング(CF)で資金を募っている。受診した小児が家で服用した市販薬を特定し、効果的な処方や副作用防止に役立ててもらうため、医療機関に無料配布する。資金を募っているのは、中京区の総合内科専門医で、医療調査会社「プラメドプラス」社長の平憲二さん。投薬による副作用を避けるためには、処方前に患者が事前に服用した市販薬を把握しなければいけない。しかし、患者が薬の名前を覚えていないなど特定できないことも多いことから、使用頻度の高い市販薬とその成分を一覧できる冊子を発行、2014年から配布している。今回発行する小児用市販薬の冊子は、風邪薬や解熱鎮痛薬、乗り物酔い薬など約120製品を掲載する予定。それらの中には、特定の症状で服用するとまれに重い副作用をもたらす成分を含むものもあり、医師による慎重な判断が欠かせないという。平さんは、新型コロナウイルス感染の恐れによる受診控えもあって、「市販薬に頼る傾向が強まっている」と指摘。電話やインターネットで診療を受けるオンライン診療で医師が患者から市販薬服用の相談を受けることも増えるとみられるが、市販薬の中には医師の処方で使わない成分もあることから、「医師に情報が必要だ」と強調する。CFは16日までウェブサイト「市販薬データ集 クスリ早見帖2020年版」で募る。目標金額を60万円に設定し、達成後は保険薬局への配布用に金額を再設定する。出資金額に応じて早見帖などが贈られる。〓(鈴木雅人)〓

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