世界1位のスパコン「富岳」、新型コロナに既存の医薬品数十種類が有効と計算


理化学研究所と京都大学は3日、神戸・ポートアイランドに整備中のスーパーコンピューター「富岳」を使った新型コロナウイルス治療薬の研究で、既存の医薬品数十種類が有効と予測したことを明らかにした。富岳の高い計算能力を生かし、約10日間で約2100種類の薬を調べ、新型コロナの増殖に関わるタンパク質に結合しやすい薬を数値化した。今回、富岳による分子のシミュレーションにより、有効性で上位となった治療薬の候補には、ニクロサミドやニタゾキサニドなど、海外で臨床研究や治験が進む12種類の薬剤が含まれるという。最も数値が高かったのは、国内の製薬会社の薬(品名非公表)だったという。富岳は「京」の後継機として、既に新型コロナ対策で試験運用している。6月に発表されたスパコンの計算速度ランキング「トップ500」では、日本勢として9年ぶりに世界1位になった。(井川朋宏)

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