県立病院「入院収益」35%減少 4~5月、受診控えなどが影響


県立病院の4~5月の入院収益が1億5497万円となり、前年同期に比べて35.5%減少したことが2日、分かった。県立病院の慢性的な赤字経営が続く中、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う患者の受診控えなどが追い打ちを掛けた形だ。矢吹病院(矢吹町)宮下病院(三島町)南会津病院(南会津町)ふたば医療センター付属病院(富岡町)ふたば復興診療所(楢葉町)の4病院1診療所の状況について、県が2日、6月定例県議会福祉公安委員会で示した。入院患者数は8045人(前年同期比22.3%減)、外来患者数は1万4682人(同16.4%減)だった。外出自粛などによる受診控えや感染拡大防止対策などが影響した。精神科専門の矢吹病院では5月半ばごろまで入院の受け入れを緊急性の高い患者に絞るなどの対応を取った。現在は制限を解除しており、入院待機は解消に向かいつつあるという。県はこの間、患者への大きな影響はなかったとしている。また、ふたば復興診療所は東京都から整形外科医を招いており、緊急事態宣言を受けた往来自粛の影響で4、5の両月に診療できず、患者が減少した。南会津病院では本年度から整形外科の常勤医が不在となっており、県は入院収益減少の背景に複合的な要因があると分析、「国の補助金などを利用した上で経費削減に努め、減益に歯止めをかけたい」(病院経営課)としている。福島医大病院患者数が減少福島医大病院でも4~5月、入院・外来ともに患者数が減少した。入院患者は前年同期比20.3%減の3万350人、外来患者は同20.8%減の4万6784人だった。

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