頼みの管「エクモ」フル活用へ 福大病院が重点治療センター開設


 福岡大病院(福岡市)は30日、新型コロナウイルスの重症患者に有効な人工心肺装置「ECMO(エクモ)」を使った治療に力を入れる「ECMOセンター」の運用を7月1日から始めると発表した。新型コロナの治療にエクモを使った経験を生かし、技術向上や他の医療機関の人材育成にも取り組む。

 エクモは人工呼吸器でも回復が難しい患者に使用し、血液を管で体外に導き出して酸素を供給する。福大病院には5台あり、新型コロナの治療では九州の医療機関では最も多い6人の患者に使った。

 エクモを使うには高度な技術と多くの医師や看護師が必要。福大病院は2009年の新型インフルエンザ流行以降、医師や臨床工学技士が海外で研修を受け、ノウハウを蓄積してきた。

 岩崎昭憲病院長は記者会見で「新型コロナと共存していかなければならない中、大学病院としての役割を果たしたい」と話した。 (斉藤幸奈)

関連記事

ページ上部へ戻る