「地元の役に」高校生が手製フェースシールド寄贈 大分県宇佐市


布マスク1000枚も

 新型コロナウイルスの影響で、医療用防護具やマスクが不足していることを受け、大分県立宇佐産業科学高(宇佐市)の生徒33人が、フェースシールド50個と布マスク約千枚を製作し、市医師会と市に寄贈した。特にフェースシールドは、現場の看護師と打ち合わせを重ねて実用的な製品に仕上げており、生徒たちは社会に役立つもの作りの一端を学んだ。

 フェースシールドを担当したのは電子機械科の13人。宇佐高田医師会病院(同市)の看護師と面会し、3年の高橋俊二朗さん(18)によると、(1)顔を覆うビニールの着脱が容易なこと(2)頭に固定する器具の色はピンク(やる気が出る)(3)重くないこと-などの要望が出たという。

 製作には3Dプリンターを使った。着脱で何回も折ったり曲げたりが繰り返され、落とすことも想定。耐衝撃性と重量のバランスにも配慮しながら、2週間ほどで完成したという。高橋さんは「煮沸やアルコールによる消毒にも耐えられるものができた」。3年の山香智哉さん(18)は「知恵を絞って作ったものが人の役に立てると思うとうれしい」と笑顔を見せた。

 布マスクは生活デザイン科の20人が、放課後や自宅での時間を使い、2週間かけてミシンで作った。3年の原のどかさん(17)は「地元の役に立ちたかった。達成感がある」と話した。

 5月末に市役所であった贈呈式には、市医師会の西村正幸会長も出席。フェースシールドは西村会長に、布マスクは是永修治市長にそれぞれ手渡された。西村会長は「フェースシールドはビニールを何枚か重ねられるように作られており、簡単に取り換えることができる。実践的だ」と感心。是永市長は「若いみなさんから熱い思いをいただいた。大事に使わせていただく」と感謝した。 (吉川文敬) 

関連記事

ページ上部へ戻る