次亜塩素酸水 有効わかりホッ 独自配布の川北町 今後も継続


新型コロナウイルスの感染拡大に伴うアルコール消毒液の代替品として注目を集める「次亜塩素酸水」。効果や安全性を疑問視する議論もあったが、製品評価技術基盤機構(NITE)は二十六日、一定の条件付きで「消毒に有効」との最終報告を発表した。県内市町の中で独自に次亜塩素酸水を生成し、住民に無料配布してきた川北町の関係者は胸をなで下ろす。(平井剛)「発表を聞いて安心した。体に有害な物を配っているのでは、と思われるのが怖かったので」。町福祉課の村田真寿美課長は話す。町が次亜塩素酸水の生成を始めたのは四月十七日。アルコール消毒液が店頭で入手困難になったため、生成器一台を町保健センターに設置。同月末に二台追加して町民に配布を始めた。だが、取り扱いに注意が必要な次亜塩素酸ナトリウムと混同した使用や「有効性は確認されていない」とするNITEの中間報告(五月二十九日)、さらに文部科学省が六月四日に学校での噴霧使用に注意を促したことで流れは一変。効果や安全性を疑問視する声が高まった。町は六月以降も週二回、生成日を設けて配布を続けている。村田課長は「五月中は一日約百人が受け取りに来たが、報道などの影響で三十〜四十人に減った。それでも苦情などはなかった」と語る。NITEの最終報告を受け、町は今後も配布を継続する。ただし、新型コロナへの消毒効果には一定の条件がある。村田課長は「流水での使用なら何ら問題ない」とした上で「コロナに限らず、インフルエンザウイルスや食中毒を引き起こすノロウイルス、黄色ブドウ球菌などにも有効とされている。身の回りを清潔に保つために次亜塩素酸水を使ってほしい」と話す。能美市は「再開未定」能美市も五月十三日に次亜塩素酸水の生成と配布を始めたが、同三十日から休止している。危機管理課の担当者は「配布再開はまだ決めていない」と答えた。次亜塩素酸水 次亜塩素酸(HCIO)を主成分とする水溶液。消毒用に流水で掛け流す場合は有効塩素濃度35ppm(1ppmは0.0001%)以上で掛け流しを20秒以上行い、拭き掃除の場合は80ppm以上で物の表面をひたひたにぬらす必要がある。川北町が生成しているのは60ppm。関連キーワード

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