クルーズ船で活動の医師講演「密避け手洗い習慣化」


新型コロナウイルスの集団感染が発生し、横浜港に停泊していたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で医療活動に当たった神奈川県の医師内山順造さん(57)が24日、岐阜協立大(大垣市北方町)の教職員研修会でオンライン講演した。内山さんは「教員も学生も共通認識を持って感染対策をして」と呼び掛けた。内山さんは同県医師会の公衆衛生委員会副委員長で、日本医師会災害医療チーム(JMAT)の一員として同船で活動。現在は同県にあるPCR検査センターの責任者を務めており、「クリーンゾーンと汚染ゾーンの区分けや靴の防護をしなかったクルーズ船での失敗を生かしている」とした。ウイルスは付着すると2、3日間とどまるとの特徴から、「感染者と接触しなくても感染する。机や手すりなど公共の部分を触ったら手を洗って」と手洗いの習慣化を訴えた。感染すると高齢であるほど致死率は高く、「若者と高齢者の動線が重ならないことが大切。家庭では子どもが祖父母らに、大学では学生が教職員にうつして重症化することを防がなくてはならない」とした。欧米各国で感染者が多いことについては、「PCR検査のために人が集まったことで感染が広がった可能性が高い」と指摘。「死亡者数は患者数に相関している。テレワークなどを活用し、できるだけ集まらないようにすることが収束への道」と持論を述べた。研修会は教職員約110人を対象にオンラインで実施。サッカー部総監督や野球部長を務める経営学部の髙橋正紀教授(57)は「学生に感染防止のポイントを伝え、差別や感染の核にならないよう指導したい」と話した。講演の動画はインターネット上で公開される。

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