お昼寝前にぴったり 音楽CD付き絵本を配布 三重の文化都市協会


おなかにいる赤ちゃんや乳幼児がクラシック音楽に親しむ「チャイルドクラシックプログラム」を手がける三重県伊賀市文化都市協会(ぶんと)がCDと組み合わせた絵本を制作した。19日から伊賀、名張市の幼稚園や保育園計54カ所に無料配布を始めた。ぶんとは「音楽をバックに物語を楽しんで」と呼びかけている。【大西康裕】絵本は市内在住のイラストレーター、田槙奈緒さんオリジナルの物語と絵でタイトルは「知らない森のお月さま」。B5判20ページ。男の子やおじいさん、森のリスやウサギ、熊に星の明かりがキラッと輝いて降り注ぎ、まんまるお月様の光に森が抱かれるようなストーリー。森の緑は温かく、夜空の濃紺は深く、星と月の黄色がやわらかい。CDに収めたのはロベルト・シューマンのピアノ曲「子供の情景」から「トロイメライ」と「見知らぬ国」の2曲。演奏時間は合わせて約4分。2曲は、田槙さんがストーリーをある程度決めてから合いそうな音楽として選んだ。田槙さんは「優しい気持ちはまわりにたくさんあって、それに囲まれて生きていることを形にしたいと思った」とコメントしている。19日に配布した伊賀市立しろなみ保育所(久米町、0~5歳児75人)は、5歳児16人が遊戯室で、CDのピアノ演奏が流れる中、絵本の読み聞かせを楽しんだ。星野恵衣ちゃん(5)は「絵本好き、音楽大好き。音楽と絵本が一緒でよかった」と話した。中川知子所長は「ほっこりできる音楽と本で、子どもらはゆったりした気持ちになってもらいたい。昼寝の前にも聞かせたいです」と話した。チャイルドクラシックプログラムは、コンサートを主催するぶんとが地域人口の1%が常にクラシックの音楽会に足を運ぶことを目的に取り組んでいる指揮者の解説付きコンサートなど「クラシックのいろは」事業の一環。絵本は300部印刷し県内の産科、小児科医院にも配布予定。また、2冊目を田槙さんに依頼している。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、ぶんとも主催行事を延期、中止した。再開は9月6日の同プログラムの一つ妊娠中の女性向けコンサート「おなかのなかからクラシック」からを予定。同コンサートの会場はロビーからより広いホールに変更する。問い合わせはぶんと(0595・22・0511)。

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