【明美ちゃん基金】ミャンマー医療支援 5年間で技術向上、心臓カテは1200件 2年延長…


国内外の心臓病の子供たちを救う「明美ちゃん基金」(産経新聞厚生文化事業団運営)のミャンマー医療支援は、病に苦しむ子供への治療を通じて日本の医療技術をミャンマーに伝え、心臓病の治療ができる医療関係者を育成することを目的に行われてきた。柱はヤンゴンにある国立ヤンキン子供病院への医療団派遣と、日本でのミャンマーの医師らの研修だ。これまでの5年間の活動を振り返る。医療団が初めて現地で活動を行ったのは2015年9月。以来計10回渡航し、273人にカテーテル治療を、95人に外科手術を無償で行った。治療した368人の医療費は日本円で計約1億円で全て基金が負担した。医療団には27病院から医師30人、臨床工学技士8人、看護師3人が参加。いずれも報酬なしのボランティアだ。活動拠点のヤンキン子供病院はミャンマーの小児循環器治療の中心的施設だが、当時は技術的に体重10キロ以下の子供の手術は難しく、カテーテル治療は、その施設さえない状態だった。「心臓病の子供たちはみんな人知れず、死んでいくしかなかった」。ヤンキン子供病院のキン・マウン・ウー内科部長(55)はこう説明する。あれから5年。カテーテル室完成とともに医療団が基礎から指導を続けた結果、同病院のカテーテルの症例数は累計1200件を超えた。ウー部長は「難症例を除けば自国の力だけで大部分の治療ができるようになった」と手応えを口にする。

関連記事

ページ上部へ戻る