外出自粛で献血ピンチ 3月後半、岩手では4割も不足 新型コロナ


新型コロナウイルス感染拡大の影響で3月後半以降、岩手県内で献血の不足が続いている。献血バスの派遣が断られるケースも増えており、日本赤十字社(日赤)県赤十字血液センターは「足りない状況が続くと、手術ができないなど命に関わる問題に発展する」と協力を呼び掛けている。日赤によると、国内で1日約3000人の患者が輸血を受けるため、約1万3000人に献血してもらう必要がある。同センターのまとめでは、県内の献血血液(赤血球)の確保計画に対する過不足率は、国が2月にイベント自粛などを求めて以降も充足していたが、3月第3週は93.4%、第4週は83.6%と下がり続けている。役所など人が集まる場所を巡る献血バスは「人が集まる機会を減らしたい」などの理由で、2月下旬以降に6件が派遣を断られた。一定の献血量を見込める大学も軒並み授業開始日の延期が決まり、派遣できない状況だ。センターでは、新たにショッピングモールなどにバスを派遣する。「もりおか献血ルームメルシー」(盛岡市大通)は県内で常時献血ができる唯一の施設だが3月第3週の過不足率は58.8%と計画を大きく下回った。岩崎満所長は「国や自治体が不要不急の外出自粛を呼び掛けた結果、足を運ぶ人が減っている。感染拡大が進めば血液不足はさらに深刻になる」と警戒する。献血に訪れた滝沢市の会社員、菅原慧さん(36)は「こんな状況でも、けがや病気で血液が必要な人の数は変わらないと思った」と話した。献血は検温や問診をした上で受け付ける。同センターは、密集による感染リスクを避けるため事前予約(019・637・7201)を呼び掛ける。【山田豊】

関連記事

ページ上部へ戻る