手術ミスで血管ふさぐコイルが流出 千葉県こども病院


千葉県こども病院(千葉市緑区)は17日、2016年に実施した当時1歳の女児の心臓手術で、不要な血管を内側からふさぐ直径2ミリ程度のコイルが、血流でながされ、脳に達するミスがあったと明らかにした。手術直後、女児に左脚に軽度のマヒが出たが、その後回復、退院したという。女児は現在5歳で、脳内のコイルは回収できなかったが、影響はないという。4年前の手術ミスを現段階で公表したことについて、担当者は「事故等調査委員会の調査がまとまり、家族との和解までに時間がかかった」と説明している。同病院によると、女児は心臓の発達が遅れる先天的な病気で、手術による出血に備え、不要な血管6本をふさぐため、カテーテルでコイルを血管に留める手術を実施した。5本は成功したが、1本は血管が複雑に曲がっていたため、医師は血管の位置を把握するために本来必要な造影の作業をせず、コイルを留める手術を実施したという。再発防止策として、中島弘道副病院長は「今後は必ず造影して手術する。難しい場合は手術自体を避けることとした」と話す。(古賀大己)

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