コロナワクチン、医療従事者を優先か 国、8月に策定へ


政府は、8月中にも新型コロナウイルスの予防ワクチンの接種を優先する人などを決めた計画を策定する。ワクチンが開発されても、当面は生産量が限られ、広く普及させるのは難しいとみられるためだ。議論は来週始める予定で、医療従事者のほか、重症化するリスクが高い高齢者らを優先する方向で検討が進む見通しだ。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会(会長・尾身茂地域医療機能推進機構理事長)で来週、本格的に議論を始める。政府関係者によると、新型コロナは感染に地域差があることなどから、感染者が多い東京都などを優先する案も検討する。接種費用は公費とする予定だ。新型コロナ対応で適用している特別措置法に基づき、政府が2013年当時に定めた行動計画では、医療関係者のほか、対策に携わる公務員、介護・福祉事業者、電気・ガス・水道の事業者などを優先する考え方を示している。これは新型インフルエンザの特徴などを考慮した方針のため、新型コロナの「特徴などを考慮し、変わる可能性も当然ある」(菅義偉官房長官)。改めて優先順位や根拠を示す必要があった。厚生労働省でも接種開始を見据え、政府や自治体、製薬会社、医薬品卸会社などの情報を集約し、地域ごとに必要な量とメーカー側の生産量を把握して配分を調整する仕組みの開発を始めている。新型コロナのワクチンは国内外の製薬会社などが開発中だが、実用化されていない。ただ、開発後の確保に向けて各国が動き、治験の結果を待たず、量産体制の準備を始め、製薬会社などと契約し始めている。安倍晋三首相は6月、米バイオ医薬のモデルナや英製薬大手アストラゼネカと、ワクチン供給で交渉をしていることを明らかにし、モデルナのワクチンについて「早ければ年末くらいに接種できるかもしれない」と述べている。(中田絢子、姫野直行)

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