生活習慣病患者 45%が宣言解除後も通院に不安 「感染」が心配


新型コロナウイルスの流行に関連し、高血圧や2型糖尿病など生活習慣病患者の約45%は政府の緊急事態宣言解除後も通院に不安を感じているとの調査結果を、医師らでつくる「血糖トレンド委員会」がまとめた。生活習慣病患者は健康な人より新型コロナ感染症が重症化しやすいと指摘される。不安から通院を中断したままの患者もおり、同委代表世話人の西村理明・東京慈恵会医科大主任教授は「数年後に合併症が出る可能性もあり、(中断中の人は)通院を再開してほしい」としている。調査は6月8~9日、定期的に通院が必要な生活習慣病患者(高血圧、2型糖尿病、高脂血症)計309人を対象にインターネットで実施した。新型コロナの流行による通院への影響を尋ねると、20・4%が通院を中断したり頻度を減らしたりしたと回答。このうち約8割が「感染予防」を理由に挙げた。宣言解除後も、通院に不安を感じているのは44・9%で、そのほとんどが病院や薬局での感染を心配していた。3・2%は「不安があり、通院していない」と答えた。一方、生活習慣病患者は普段から食事や運動などで体調管理を求められているが、外出自粛要請期間中に「普段よりも体調管理を意識した」という人が58・6%に上った。西村主任教授は「私の外来でも、半数以上の人が『検査値が改善していた』という印象がある。調査では、スマートフォンのアプリなど健康管理ツールを利用したい人も半数に上り、今後慢性疾患の管理の仕方が変わる可能性がある」と話している。【大場あい】

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