6月から1万人抗体検査 3地域、感染の広がり把握


加藤勝信厚生労働相は22日午前の記者会見で、新型コロナウイルス感染の有無を調べる「抗体検査」について、6月から東京、大阪、宮城の3都府県で約1万人を対象に実施すると明らかにした。狙いについて「社会全体としての免疫の獲得状況を確認し、感染拡大防止策の検討に活用していきたい」と語った。人口10万人当たりの累積感染者数の割合が最も高い地域として東京、大阪を選定。逆に割合が少ないうえ、環境的に2都府と比較しやすいとして宮城を選んだ。これによって「日本全体の感染状況を類推できる」(厚労省)という。3都府県で、20歳以上の一般住民から各3千人程度を年齢区分別に無作為抽出し、血液検査に協力を求める。国は採取した検体を匿名化して検査にかけ、一定以上の抗体を持った被験者の割合を調べる。結果を個別の被験者に通知するかは各自治体が判断する。加藤氏は全体の調査結果について「まとまり次第公表したい」と述べるにとどめた。抗体検査は感染後に免疫が備わったどうかを調べる方法。体内で抗体ができるには時間がかかるため、感染の診断には適さないが、感染の広がりを調べるのに適している。

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