厚生労働省は28日、新型コロナウイルスに感染した軽症や無症状の人が療養する宿泊施設について、全国の確保状況や利用室数を公表した。報告のあった35都道府県で受け入れ可能な部屋数は計1万2090室、うち感染者が入っているのが862室だった。非公表や調整中とした12県を除く35都道府県の27日時点の状況をまとめた。東京や大阪、愛知、福岡など感染対策に重点的に取り組む必要があるとされた13の特定警戒都道府県で受け入れ可能な部屋数は9330室。利用中は794室だった。都道府県別で受け入れ可能数が最も多いのは神奈川で2282室、69室が使われていた。全国で最も感染者が多い東京は受け入れ可能部屋数が1558室、利用は193室。大阪は1565室に対し131室、愛知は1300室に対し36室、福岡は826室に対し82室がそれぞれ使われていた。当初、新型コロナの患者は全員入院となっていた。対応できるベッドに限りがあり、厚労省は今月2日、患者の増加で重症者の入院に支障をきたす都道府県では、軽症者や症状のない感染者は宿泊施設や自宅で療養できるとした。だが、感染者数の増加とともに自宅療養となる人が増え、埼玉県で自宅療養中の男性が亡くなる事案が発生。家庭内での感染も起きたことで、厚労省は23日、子どもがいるなどの事情がある人を除いて宿泊施設での療養が基本、と方針を変えた。各都道府県では宿泊施設の確保が課題となっており、厚労省はこうした施設の確保状況を定期的に確認し、自治体への支援などに活用していくという。(土肥修一)(厚生労働省による。27日午後3時時点)都道府県 受入可能室数 現入室数北海道 120 50青森県 - -岩手県 - -宮城県 200 6秋田県 16 0山形県 - -福島県 200 1茨城県 230 26栃木県 - -群馬県 150 0埼玉県 262 52千葉県 306 17東京都 1558 193神奈川県 2282 69新潟県 50 0富山県 100 10石川県 170 28福井県 80 1山梨県 21 0長野県 200 0岐阜県 265 1静岡県 - -愛知県 1300 36三重県 64 0滋賀県 62 11京都府 68 22大阪府 1565 131兵庫県 378 87奈良県 108 3和歌山県 - -鳥取県 400 0島根県 - -岡山県 - -広島県 130 3山口県 - -徳島県 - -香川県 101 0愛媛県 67 3高知県 16 10福岡県 826 82佐賀県 230 2長崎県 - -熊本県 - -大分県 65 0宮崎県 50 0鹿児島県 188 0沖縄県 262 18全国計 12090 862(-は数値非公表または調整中)