子宮頸がんワクチン承認、米メルク日本法人が発表


米製薬大手メルクの日本法人、MSDは21日、子宮頸(けい)がんの予防につながるワクチンについて同日付で厚生労働省から製造販売承認を得たと発表した。ヒトパピローマウイルス(HPV)向けのワクチンで、品質などを確認する検査を経て発売する。価格は今のところ明らかにされていないが、当面は自費での接種になる。HPVは100種類以上あるが、このうち十数種類が子宮頸がんなどにつながるリスクがあるとされている。今回承認されたワクチン「シルガード9」は、このうち子宮頸がんや尖圭(せんけい)コンジローマにつながるとされる9種類のウイルスに対応できる。接種できるのは9歳以上の女性で、計3回、筋肉に注射するという。これまで定期接種の対象になっていたHPVワクチンは、リスクとなるウイルスへの効果が最大4種類にとどまっていた。厚労省は公費で接種できる「定期接種」の対象にするか、今後検討する。これまでに承認されている2つのHPVワクチンの接種は、予防接種法に基づき公費補助の対象となっている。ただ、接種直後に体調不良を訴える声が出たこともあり、地方自治体から対象者への個別の接種勧奨は中断されたままとなっている。

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