群馬県、感染症危機管理チームの議事録を公開 地域医療「崩壊の危機」緊迫のやり取りも


群馬県は26日、常設の「感染症危機管理チーム」の会議議事録を県ホームページ上で初公開した。3~5月の計4回分で、新型コロナウイルスの感染拡大下で、休校中の学校再開の時期や方法などに関する検討や感染者の増加に伴って地域医療が崩壊の危機に直面していた状況などが、浮き彫りになっている。【鈴木敦子】2月に設置された同チームは、国立国際医療研究センター(東京都)や県医師会の専門家ら8人の委員で構成。県内1人目の感染確認から9日後の3月16日に初会合、その後は同31日、4月14日、5月9日に開かれた。第2回会合では学校再開について、小学校低学年に限った再開や、感染状況や学校規模の違いなどから地域ごとに再開時期を分けるなどの提案があった。山本一太知事が「市町村の懸念は、小さい子供たちがずっと家にいなければならないことだ」と述べ、小学低学年の先行再開を示唆する場面もあったが、県内小児医療体制を問題視した委員が「ひとたび1クラス分などの陽性が発生すると大変な状況になる」と指摘。この会議などを受けてのちに、山本知事は再開を延期している。また、伊勢崎市の有料老人ホームでクラスター(集団感染)が発生し、感染症病床のない他地域の医療機関でも感染者を受け入れ始めていた時期の第3回会合では、山本知事が緊急事態宣言の県を含めた拡大前の休業要請の必要性を諮問。ある委員が当時、利根沼田と吾妻の両地域の医療機関で他地域の感染者を受け入れたため、「すでに医療崩壊している」と指摘するなど、会議での緊迫したやりとりがうかがえた。

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